私は腰痛持ちです(唐突)
しかもなまじ日本人の
平均身長を超えてしまっているため
油断するとすぐに腰がお亡くなりになります。
最近ではあっぴぃ氏
(生後8ヶ月で体重7キロ台に突入)を
抱っこする時でも油断すると
すぐに腰がお亡くなりになります。
というわけで今回は、
私が抱っこしている時に
気をつけていることを
紹介していきたいと思います。
ただし、個人的に実践していることで、
この方法が100%正しいかは
別の話なので、あくまで
選択肢の1つとして考えてみてください。
抱き上げ
まずは抱き上げの際の
注意点です。
シチュエーションとしては
床に敷いているジョイントマットで
遊んでいる赤ちゃんを抱き上げる場面です。
NG動作 前屈姿勢や中腰
抱き上げる時のNG動作として
定番なのは前屈(お辞儀)姿勢や
中腰での抱き上げですね。
ちなみにオムツ交換やお風呂に入れる時、
チャイルドシートなどからの乗り降りなど
でも前屈しやすいので注意しましょう。
理由
姿勢によって腰椎への負担は変わってきます。
Nachemson A :The lumbar spain.An orthopaedic challenge.Spain 1:59-71,1976より引用
1976年にNachemsonらが行った
研究によると
立っている姿勢を100とすると
20度の前屈では150と
椎間板内圧(腰への負担)は
1.5倍に増えるとされています。
加えて、立っている状態で前屈して
物を持ち上げると220と
さらに負担は増加しています。
これらより前屈姿勢や中腰で
赤ちゃんを抱き上げると
腰への負担も大きくなると
考えられます。
対策 ポイントは姿勢の安定
この状態を避けるために
意識すべき点は
姿勢の安定性です。
なぜならば、姿勢が安定しなければ
その分どこか(背中や腰など)で
カバーするはめになり
余計な負担がかかってしまいます。
ここでボディメカニクス
(身体を機械として動作などを捉える考え方)
の観点から考えていくと
支持基底面を広くとる
支持基底面は簡単に言うと
身体を支えるために必要な
床の広さ的なものです。
例をして
両足で囲まれている床の広さ
お尻や足で囲まれている床の広さ
床に接している身体に囲まれている床の広さ
この時に誰かに押されたり、
急な突風がきたと仮定すると、
どの状態が姿勢を安定させやすいか
を考えてみると
おそらく
1位は「寝ている」
2位「椅子に座る」
3位「立っている状態」
だと思います。
これは先ほどの
支持基底面の広さの順番とも
合致してますね。
以上より、
支持基底面が広い方が
姿勢は安定しやすい
ということがわかります。
重心を低くする
重心とは
物が釣り合っている場所を指し、
シーソーでいうところの中
央にある支える部分のことです。
大人の場合では
立位時は骨盤(へその下)あたりで
椅子に座っているときは胸あたり
だとされています。
重心が高い方が姿勢は不安定です。
また重心が支持基底面から外れると
バランスを保てなくなるとされています。
座る直前に椅子を外されると
倒れてしまうのは
この理屈だったりします。
「立った状態」と「座った状態」で考えると、
立っている方が重心も高く、
支持基底面の広さも狭いため
バランスを崩しやすいというと言えます。
重心と重心を近づける
自分の重心と
持ち上げる対象の重心を
近づけると少ない労力で
持ち上げることができます。
実際に物を持ち上げる時に
腕を伸ばしたままの状態よりも
引き寄せた方が持ちやすいです。
また、人体をシーソーで考えた時に、
中央の支点を腰椎とすると、
腕との距離が離れるほど、
向かい側にある腰の筋肉の力が必要です。
さらに赤ちゃんを近づけることで、
自然と支持基底面内に
重心をおさめやすくなるので
姿勢の安定性も増します。
その他
その他にも抱き上げる時に
意識している点はあります。
- 対象を小さくまとめる
布団をイメージすると、
広げたままより折りたたんで
コンパクトにした方が
持ち上げやすいと思います。
赤ちゃんも一緒で
頭やお尻を支えて
Cカーブ状にした方が
抱き上げやすいです。
- 大きな筋肉を使う
腕だけの力で持ち上げようとはせずに
身体全体を使うことを意識します。
足の筋肉や腹筋や背筋など
大きな筋肉は
それだけパワーも出るためです。
具体的な方法
前置きが長くなりましたが、
ボディメカニクスを活用しながら
どのように抱き上げるのかを
説明していきたいと思います。
①膝を曲げて腰の位置を下げる
膝を曲げ腰を落とすことで
支持基底面を広げて
重心を下げます。
この時も背中が丸まらないように
注意してください。
②片手で頭側を支え、
次にもう片方の手は股の間に
赤ちゃんの身体を小さくまとめて
持ち上げやすくする
意味合いもあります。
③赤ちゃんと密着して身体を起こす
赤ちゃんと密着することで
重心の距離を縮めます。
そのあとに身体全体で起き上がることで
腕のみで引き寄せるのではなく
体幹(腹筋や背筋)などの
大きな筋肉を活用します。
④片膝を立て
赤ちゃんを身体に沿わせるように立ち上がる
赤ちゃんとの距離が近い状態を保ちつつ、
下半身の大きな筋肉を活用して
立ち上がっていきます。
この時も背中が丸まらないように
注意してください。
抱っこ中
次に抱っこ中について
気をつけていきたいことを
まとめていきたいと思います。
NG動作
油断するとよくやってしまうのですが、
赤ちゃんを抱っこしながら物を取ったり、
電気のスイッチを消したりする時に
ついつい身体を捻ってしまいます。
実はこれも腰痛の原因に
なり得るとされています。
理由
ボディメカニクスの観点から見ていくと、
身体を無理に捻ったり、
背中を曲げたりすると
姿勢が不安定になるとされています。
先ほども触れましたが
姿勢が不安定になると
その分背中や腰に
過度の負荷がかかります。
対策 足先を対象に向ける
シンプルな対策としては、
一旦落ち着いてから、
取りたい物やスイッチの方に
足先を向けることです。
これにより身体の捻れを
防ぐことができます。
その他にも、周りの人がいれば
身の回りのことをお願したり、
抱っこする前に事前準備しておいたり、
抱っこひもなどを活用することも大切ですね。
個人的には、
実際に私も今使用している
POLBANのヒップシートが
おすすめです。
以下の記事に詳しく
紹介しているので
興味ある方は
読んでみてください
NG行動 身体を反らす
身体を反らして
赤ちゃんを身体に沿わせるように
乗せてしまいような姿勢(反り腰)に
よっても腰痛は引き起こされます。
理由
身体を反らしているということは
それだけ背中側の筋肉に
力が入ってしまう状態なので、
その分腰にも負担がかかっています。
反り腰になる主な原因としては
産後で腹筋が弱くなり
相対的に背筋の方が強くなって
しまうとされています。
対策 姿勢の改善
この対策としては
反り腰にならないように
姿勢を意識していきます。
鏡で姿勢を確認
慣れないうちは洗面所などにある
鏡を利用して反り腰かどうか
確認してみてください。
チェックポイントとしては
耳や肩、くるぶしが
直線になっているかです。
体幹を鍛える
体幹のバランスが悪い場合は
鍛えてみることによって
根本的な改善を図ってみましょう。
スクワットやドローインなどは
器具もいらずに隙間時間に
できたりするのでおすすめです。
下ろす時
というわけで最後は
赤ちゃんを布団や床に下ろすときです。
ここで油断すると
腰がお亡くなりになりますので
気を抜かずにいきましょう。
NG動作 赤ちゃんを前方で寝かそうとする
私も忙しい時なんかは
ついついやってしまいがちですが、
これも腰痛持ち泣かせの動作です。
理由
抱き上げ時の話と重複しますが、
前屈みになってしまうことが原因で
腰を痛めやすいです。
例えば正座をした状態で
前に赤ちゃんを置こうとします。
この時、支持基底面よりも
重心が前に出て重心の距離も
赤ちゃんと離れてしまうため
姿勢が不安定になってしまいます。
対策 片膝をついて真下で寝かせる
この対策としては支持基底面から
はみ出さないところに
赤ちゃんを寝かせることが大切です。
具体的には片膝をついて
支持基底面を広げることで
赤ちゃんのスペースを確保。
その状態でゆっくりと
真下に寝かせていきます。
これにより重心の距離も
そこまで離れずに姿勢が安定します。
具体的な方法
ではここからは
実際にどのように寝かせていくか
について説明していきます。
①赤ちゃんを密着させたまま
片膝をついていく
赤ちゃんとの重心の距離を
保ちつつ片膝をつくことで
支持基底面を広げていきます。
②そのまま真下に
赤ちゃんを下ろしていく
これは先述した理屈で、
支持基底面内に赤ちゃんを
おさめるように下ろしていきます。
③お尻→頭の順で
ゆっくりと床につける
これは純粋に順番が逆だと
赤ちゃんの首に負担が
かかったりすると考えられるためです。
まとめ
というわけで今回は
私が実践している腰痛予防を
考慮した抱っこの動き方について
解説していきました。
ポイントとしては
いかに自分の姿勢を
安定させるかです。
医学の話は日進月歩であり、
日々情報もどんどん更新されていきます。
そのため冒頭でも述べたように
あくまでこんなやり方もあるという
程度に考えて見てください。
それはさておき、
これを読まれたということは
腰痛持ちという同じ業(カルマ)を
背負っていると思います。
腰痛に負けずに
お互い子育てを頑張っていきましょう!
コメント