手のひらを下に向けてください。
それで手首は救われます。
(唐突なネタバレ)
赤ちゃんを抱っこし出したころ、
首すわりや開脚にに気を配っていて
自分の身体については
あまり考慮してませんでした。
そのため
手首に負担がかかり
腱鞘(けんしょう)炎に
なりかけたことがありました。
長い育児ライフ、
赤ちゃんファーストな考え方は
とても大切なことだと思います。
しかしその上で
自分も大事にし、
心身共に健康であることも
大切です。
というわけで、
今回は手首に負担の少ない
抱っこの方法について
考えていきたいと思います。
あくまでやり方の1つであり、
これが100%正解というものでは
ないと思いますので、
参考程度に見てみてください!
そもそもなぜ手首が痛くなる?
ざっくり言うと手首の使いすぎです。
家事でいえばフライパン
(ウチは最近鉄製のものを使ってます)や
鍋を使用して料理する時。
IT機器でいえば
スマホや
パソコンのタイピングを
長時間行う時。
スポーツでいえば
テニスなどの
スナップを効かせる
競技をしている時。
私たちの手首は
か弱くて繊細なので
無理をしたり長時間負担を
かけ続けると簡単に痛めてしまいます!
その理由として
考えられている原因には
いくつかあります。
筋力が弱い
諸説あるかもですし、
一概に断言はできませんが
基本的に手首に関わる筋肉は
その他の大きな筋肉
(広背筋や大腿四頭筋など)に
比べて筋力は弱いとされてます。
そのため、
手首だけで赤ちゃんを支えようとすると、
筋力が対応しきれずに結果として
負担が増え痛めやすいと思われます。
骨のズレ
手首には「手根骨」と呼ばれる
8個の小さい骨が集まっている
箇所があります。
それらがズレることで
関節も不安定になり
骨と骨がこすれたりすることで
炎症が生じるとされています。
また女性の方は
よく柔軟性があるとされていますが、
逆に関節は男性よりも緩い傾向にあり
関節がズレやすいとのことです。
女性ホルモン
関節の弛緩性にも関係しますが、
女性ホルモンの中に「リラキシン」
というものがあります。
これは靱帯
(骨と骨を繋ぐもの)を
緩ませる作用があるとされています。
主に出産時に
骨盤の靱帯を緩めて
赤ちゃんの通り道を確保するため
分泌するものとされています。
しかしホルモンは
特性上血液で運ばれるため、
全身にも影響します。
そのほかにも
プロゲステロンと呼ばれる
ホルモンがあります。
これは筋肉と骨をつないでいる
腱を覆っている腱鞘(けんしょう)を
狭くしてしまう作用があります。
この作用により、
腱と腱鞘が擦れやすくなり
「腱鞘炎」が起こりやすくなると
されています。
対策 手のひらを返してみる
ここからは本題として、
どのような抱っこを方法が
手首に負担をかけにくいか
について話していきます。
ポイントとしては
以前の腰痛対策の記事で触れた
ボディメカニクスに
そのヒントがあります。
興味のある方は
こちらの記事も
合わせてお読みください!
腰痛持ちを救いたい! ~赤ちゃんの抱っこはこれを気をつけて~
ボディメカニクスの原則の1つに
「大きな筋肉を使う」というものがあります。
簡単に言うと1つの筋肉だけでなく
全身の大きな筋肉を使うことで
負担を分散するという考え方です。
ようするに手首への負担を軽減するために
手首のみの筋肉だけでなく
全身にある大きな筋肉を活用します。
そしてそのための「手のひら返し」です。
具体的に言えば、
赤ちゃんを支えている
手の手のひらを
上(天)ではなく下(地)に向けます。
ケース1 手のひらを上にむけた場合
何も意識せず赤ちゃんを抱っこした場合、
多くの人は赤ちゃんを支えている
下側にある手の手のひらは
上に向けているかもしれません。
この場合、
力が手首や上腕二頭筋などの
「腕を曲げる筋肉」に
力が入りやすくなります。
イメージとしては、
力こぶをつくる時の
感じです。
これらの筋肉は
比較的小さい筋肉で、力が弱めなので
それを補うために関節にも
負担がかかりやすくなっています。
そのためこっちで抱っこする場合は、
手首側ではなく肘側に乗せることで
手首に重さが集中する状態を軽減できます。
ケース2 手のひらを下にむけた場合
次に手のひらを下にむけた場合。
簡単に言うと抱っこ中に
腕だけでなく
背中側の力も使いやすくなります。
お試しコーナー
周りに人がいれば
試してみてほしいのですが
①両手の指を組んでみて
(西洋のお祈りの組み方)
バレーボールのレシーブの
体勢になってください
②その手を上から押してもらい
こっちは腕が下がらないように
耐えてください
(お互いほどほどの力で)
③今度は手の甲を握るようにして
手を組んでみて、
同様に押してもらってください
どちらの方が耐えられたでしょうか?
おそらく後者の方だと思います。
細かい理屈は置いといて、
この違いは背中にある
「肩甲骨の開き」にあります。
手のひらを返すことで
肩甲骨が開き背中が適度に張ることで
背中の力が腕まで伝わりやすくなると
されています。
このあたりは
「古武術介護」を提唱されている
理学療法師の岡田慎一郎氏が
詳しく解説されています。
気になる方は是非調べて見てください。
結論としては、
手首を返した持ち方の方が
腕の力だけでなく背中の力も
利用しやすくなります。
その結果として
手首の負担の軽減に
つながるということです。
具体的な方法
ここからはどのように抱っこするかです。
縦抱きの場合
①利き手の手のひらを下に向けて、
赤ちゃんのお尻を肘側に乗せておく
②利き手は
反対の手の肘の上部をつかむ
③反対の手は
赤ちゃんの背中に
横抱っこの場合
①胸の前に腕で円を作り、
その中に赤ちゃんのお尻を
包み込むようにする
②手のひらは
下に向かって手首を交差させる。
あるいは下の方にある腕をつかむ。
おまけ
おまけとして
抱っこ以外にも手首を守る方法を
紹介していきたいと思います。
フライパンや鍋を持つ時
シンプルな方法としては
軽い素材(アルミ製やチタン製のもの)
を選ぶことで単純に負担を
減らすことができます。
とはいっても素材によって
メリットデメリット
はあるかと思います。
そのあたりは検討して頂くとして、
大切なのは日頃のストレッチなどで
腱鞘炎を予防しておくことです。
有名なのは「グーパー体操」です。
方法としては、両手を前に伸ばして
グーとパーを交互に行うという物で
1セット30回程度が
目安とのことです。
入浴中や入浴後にすることで
筋肉も伸張しやすく
血流も良くなるため
より効果とされています。
重い物を持つ時
例えば布団の上げ下ろしや
段ボールなどを運ぶ時は
背中の力を活用する事で
楽に持つことができます。
①手のひらを正面に向け、
両腕を左右から
抱え込むように前方に出す
②その状態で手首だけを返して
手のひらを自分に向ける。
これによって
肩甲骨が開いた状態を維持し
背中の力を活用しやすくなります。
スマホ操作
親指ばかり使用していると
腱鞘炎になりやすくなるため、
時々は人差し指で操作したり、
適度に休憩を入れてください。
キーボード操作
パソコン操作の場合は
キーボードとの手前に
タオルを敷いて操作
してみてください。
これにより、
親指の開きを抑えて
腱の過度な緊張を抑えます。
NG行動~手首をもむ~
痛みがあるからといって
手首を不用意に
もんでしまうことは
逆効果です。
腱鞘炎の場合は
炎症部位にさらに
ダメージを与えてしまい
症状が悪化する可能性があります。
基本的には
手首に痛みを感じた段階で
病院受診するのが無難です。
まとめ
今回のまとめ
手首は痛めやすい部位で特に女性の方は注意が必要
抱っこのコツとしては手のひらを下に向けることを意識
日常生活の中でも手首を痛めないよう予防や対策が大切
赤ちゃんに負けないくらい
自分の手首も大切にしていきましょう!
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